闘うプログラマーを読んで

読書

たまには技術書以外も良いかなと思いまして、『闘うプログラマー』という本を紹介しようかと思います。ちなみに読んだのは新装版で以前は上下巻構成だったみたいですね。それが少しお求めやすくなっていたので、どんなものかと手に取りました。

概要

ざっくりとした内容は、マイクロソフト社での「Windows NT」の開発物語です。このプロジェクトのために引き抜かれたデビッド・カトラーを中心にWindows NTができあがるまでの多くのメンバーの苦労を描いたノンフィクション作品です。

Windows NTは直接の名前としては外れますが、その後の「XP」や「Windows 11」にいたるまで「NT」の後継として脈々と受け継がれています。今も圧倒的なシェアを誇るWindows OSの原点と言ってもいい存在ですね。

リアリティ

つらつらと内容の説明ばかりしてもネタバレが多くなってしまうので、適当に感想を。

まず読んでいて思ったことが、開発風景の描写の濃さがすごいなと。著者のG・パスカル・ザカリーが多くの関係者にインタビューしてまとめあげたということですが、その熱量にまず驚きました。実際のシステム開発のリアルさが伝わってくるのは、膨大なインタビューや資料があってこそなんだと感じました。

死の行進

昨今でも問題となるデスマーチ的な話。家庭にまで影響が出ているメンバーがかなり多かったんだという印象。リーダーのカトラーが、そういったものに頓着しないワーカホリックな軍隊気質な性格であったことも、そういった環境を助長していたようには思う。

個人的にはそんな開発環境では逃げ出したくなるだろうなと思いつつ、ある種の狂想の中でしか良いものは作られないのかとも感じさせた。こだわりとかやり遂げる執念とか、何も犠牲なく良いものを作るというのは難しいよな、と思わせる。

開発チームとして

チームビルディングの見方として、テスターやビルド担当と開発のプログラマーの対立というか相互不理解はあったんだと思うが、なんというか体当たりのコミュニケションで乗り切ったんだなと感じられた。そうした過程を経て、連携の深まりや効率化があり、最終的になんとか着地できるんだろうなと思った。

まとまらないまとめ

相当優秀な人たちが集まってもやはり開発って難しいんだなと改めて思わされた。作るものの難易度とか当時のリソースとか比較できない面も多いが、一人のプログラマとして色々と考えさせられるところがあった。開発へのモチベーションが落ちた時に読むと気分的には上がるのかな。現在進行形でデスマーチ気味の人には逆効果な気もするけど笑。

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