【この1冊でよくわかる】ソフトウェアテストの教科書 [増補改訂 第2版]を読んだので、その感想です。
私はどちらかというとアジャイルちっくな開発現場でやってきている人なので、テスト観点や技法を学べそうな点以外に、テスト自動化やアジャイルへの適用に加筆があるという意味では良さそうかと思い手に取りました。
概要
謳い文句としては「基礎からしっかり、体系的に学習できる世界一わかりやすい本格入門」だそう。
バルテス株式会社というソフトウェアテストを主業にしている会社の方が監修・執筆されています。テスト業務の指導やコンサルティングに秀でた方たちが書かれたことが窺える内容です。
全体としては初学者を対象に、平易な文章で書くことを目指していて、4つのテスト技法を用いた欠陥の検出方法に紙面がしっかりと割かれています。
第2版が出てるくらいなのでそれなりに評判も良いのかなと思います。
感想
本文はわかりやすいが図表などの内容は濃い
ざっと読み始めた時に思ったことは、表でまとめられている情報量が多いなという点。例えば、様々なテストのやり方など概要を網羅的に表記していたりする。これを取っ掛かりにしてさらに自分で調べていく分には良さそうだが、全体的に表の情報が多い点は気になった。
内容自体が難しいわけではないので、本の厚さ以上に情報が豊富なので読み手としても緩急つける必要はある感じです。
テスト技法とドキュメント作成の章
入門書であり、テスト工程の概要を伝えることが主眼だとは思うが、Part2と3のテスト技法とドキュメント作成の方法論に関してはかなり実践的で参考になると思いました。
「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法」も読んだことがあるのですが、訳書より自然に受け入れられるような具体例や問題なので、その辺りも読みやすさにつながっていそうな印象。
アジャイル方面の補足に関して
初版のことはわからないが、この版よりテスト自動化やアジャイル開発でのテストへの言及も追加されている模様。
最終章の部分に追記する形だが、具体的な自動化の導入や説明を充実させるというよりは概要の説明といった感じです。おそらくテスト自動化であればもっと専門的な書籍をあたってくれということなのだと思います。
アジャイルに関してはウォーターフォールとの比較を考察しており、どのフローが共通的に用いることができるか分かりやすく書かれている。実践的な例や具体例が豊富というわけではないので、そういった部分のわかりやすさに期待する場合は別の書籍等で補足する必要があるかと。
まとめ
なんとなくテストやってきた人やこれからテストに関係する業務に従事する人が最初に読む本としては良いなと思います。ネットで断片的に学ぶのも良いけど、難しすぎず簡単すぎずで内容もまとまっているので書籍としての良さを感じました。
個人的にはドキュメントの厳密さをそこまで求められない現場が中心だったので、ドキュメント作成の章なんかは新鮮で参考になりました。